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見晴るかす大草原ゆったり

 この夏、大自然の中に身を置きたくて、中国・内モンゴル自治区に飛んだ。大草原にあるのは放牧の牛、馬、羊、パオで寝起きするモンゴル民族の人たち。それだけの世界が広がっていた。
 ホロンバイル草原。北京から飛行機で二時間足らずの町・海拉爾(ハイラーアル)市と、ロシアとの国境の町・満州里(マンジョウリー)市との一帯に広がる。八万平方キロ。広島県が十ほど入る草の大地である。

 まっすぐに延びる国道が、草原を右と左に分ける。数キロ置きに丸いパオが目に入る。数百匹の羊の群れが草をついばみながら移動している。

 道幅いっぱいに干し草を満載したトラックが通り過ぎる。家財道具に家族、番犬まで積んだトラクターともすれ違った。九百匹の羊を飼う賽汗(サイ・ハン)さん(44)は「冬支度ですよ。もうすぐ氷点下四〇度の凍り付く季節がきますから」と、トラクターの手入れに追われていた。

 夏の三カ月を過ごしたパオをたたんで町の近くの家に移動するという。「去年の冬は寒波と干ばつで二百匹の羊が死んだ。今年はどうか・・・」

 穏やかな景色からは想像できない厳しい季節が、草原に間もなく巡ってくる。

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